FX経済指標とは？初心者のための基本ガイド

外国為替市場において、経済指標の発表結果は大きな影響を与えることがありますが、主要国のすべての経済指標をチェックするのは困難です。この記事を読むことで、FX経済指数の重要性を理解し、トレードス​​キルを向上させる手助けになれば幸いです。経済指数の世界に一歩踏み出し、成功するための基礎知識を身に付けましょう。

FX取引をする際に必ず押さえておくべき主要な経済指標とその内容について詳しく説明します。

経済指標とは

経済指標は、経済状況を構成する要因（物価、金利、景気、貿易など）を数値化したものであり、各国の公的機関などが発表します。

経済指標の内容からは、経済の現状や過去の変化を把握することができます。

経済指標の内容次第で、為替相場にも大きな影響を与えるため、発表時には注意が必要です。なお、経済指標には事前に発表時刻が定められています。

 

経済指標から何がわかるか？

経済指標は、経済の判断をする際に非常に役立ちます。経済指標が発表されると、その結果に応じて日経平均株価や個別銘柄の株価、為替相場が大きく変動することがよくあります。

経済指標は状況を数値化することで、経済の健全性や動向を把握する手段となります。

 

消費者物価指数の発表時期

日本の消費者物価指数は、全国の前月分指数は毎月19日がある週の金曜日の8時30分に公表されます。

年平均指数は12月分で公表され、年度平均指数は3月分で公表されます。

東京都区部の当月分指数は、中旬速報値が毎月26日がある週の金曜日の8時30分に公表されます。

世界の重要な経済指標の種類

経済指標の中で特に相場に影響を与えるのは、重要度の高い指標と言えます。

重要度の高い経済指標は、主に「雇用」「物価」「景気」「金融政策」の4つのカテゴリーに分類されます。

雇用を示す指標	雇用統計（失業率などの雇用情勢に関する統計）
物価を示す指標	消費者物価指数（CPI）（消費者が日常的に購入する商品の小売価格が前回より何％変動したのかを示す指数）
景気を示す指標	国内総生産(GDP)（一定期間内に国内で産出された付加価値の合計金額）
金融政策が分かる指標	各国の中央銀行が調査して決めている政策金利 また、国によっては特に注目すべき経済指標も存在します。

さらに、国ごとに注目すべき指標を紹介いたします。

 

アメリカの重要な経済指標

アメリカは世界一の経済大国であり、その経済指標は世界中から注目されています。

アメリカドルは、世界の基軸通貨であり、世界で最も流通している通貨です。

FX取引では、米ドルを含む通貨ペアが多く存在するため、アメリカの経済指標をチェックすることは非常に重要です。

特に、アメリカの雇用状況を示す雇用統計や金融政策を決めるFOMC（連邦公開市場委員会）などは、米ドル以外の通貨に投資している方にとっても重要な指標となります。

これらの経済指標は市場の動向に大きな影響を与える可能性があるため、取引する際には必ず確認しておくべきです。

雇用が分かる指標	・雇用統計 ・ADP雇用統計 ・新規失業保険申請件数
物価が分かる指標	・消費者物価指数（CPI）
景気が分かる指標	・国内総生産(GDP) ・ISM製造業景況指数
金融政策が分かる指標	・FOMC

 

ユーロ圏での経済指標とその重要性

ユーロ圏では、ユーロが米ドルに次いで最も取引されている通貨として重要な役割を果たしています。

ユーロは欧州連合（EU）の27か国のうち19か国で使用されています。

ユーロ圏において特に重要な経済指標は、欧州中央銀行（ECB）が決める金融政策です。この政策はユーロ圏内だけでなく、世界中でも注目されているイベントになります。

さらに、ユーロ圏内で経済規模の大きい国であるドイツやフランスの経済指標も非常に重要です。特にドイツの国内総生産（GDP）や雇用統計は、通貨の変動に大きな影響を与える要素です。

これらの指標はユーロ圏内外の投資家や企業にとって重要な情報となります。

雇用が分かる指標	・ユーロ圏失業率
物価が分かる指標	・消費者物価指数（HICP)
景気が分かる指標	・ユーロ圏小売売上高 ・ドイツ国内総生産（GDP）
金融政策が分かる指標	・ECB

 

日本の重要な経済指標 - 日銀金融政策決定会合

日本で重要な経済指標の一つは、日本銀行（BOJ）による金融政策決定会合です。この会合は、日本の中央銀行であるBOJが、金融政策を決定するために行う会議です。

日銀金融政策決定会合は、年に8回開催され、各会合は2日間にわたって行われます。この会議では、政策金利や金融緩和・金融引き締めなどの「金融政策」に関する決定が行われます。

特に重要なのは、市場での予想や期待と、実際に決定された内容とのギャップです。市場参加者は、金融政策の方向性や予想される影響を予測し、それに基づいて取引を行います。

そのため、会議の結果が市場の動向に大きな影響を与えることがあります。金融政策決定会合は、日本の金融政策を決定する上で特に重要な指標です。

市場参加者や投資家は、会議結果に注目し、その内容によって市場の動向を予測します。この指標は外国為替市場にも大きな影響を与えることがあります。

したがって、日銀金融政策決定会合は、日本の経済指標の中でも重要なものとされています。

金融政策が分かる指標

…金融政策決定会合

日本の景況感指数日本でも、auじぶん銀行がIHSマークイットと提携して発表している「auじぶん銀行日本PMI」が存在します。しかし、日本の景況感を示す主要な経済指標は、日本銀行（日銀）が四半期ごとに実施している「全国企業短期経済観測調査」である「日銀短観」です。また、内閣府が毎月発表している「景気動向指数」や「景気ウォッチャー調査」も、日本の景況感を示す重要なデータです。
米国の雇用情勢を表す重要な経済指標米国の雇用情勢を示す指標で、多くの調査対象者による集計結果に基づいて労働市場の状況を示すことから、FXトレーダーや世界中の市場参加者から最も注目されているのが米国雇用統計です。米雇用統計による大きな影響経済指標の一部である雇用統計や小売売上高は、通常はアメリカ国内の統計です。一見すると、これらのデータは日本の経済には関係がないと思われるかもしれません。しかしながら、アメリカは経済の規模が非常に大きいため、その公表される数値は世界経済全体に大きな影響を与えます。そして、日本も例外ではありません。日本の景気を判断する際には、日本国内で公表されるデータだけに依存するのではなく、アメリカの経済指標にも注目することが重要です。アメリカの経済指標は、その産業の活況や景気の変動、貿易の状況などを反映しています。例えば、アメリカの雇用統計が好調であれば、それはアメリカ内の消費や投資が盛んに行われていることを示しています。その結果、アメリカが日本との貿易を行っている場合、アメリカの経済の変動は日本の景気にも影響を及ぼす可能性があります。アメリカの経済指標を注視することは、日本の経済を理解し、予測するうえで重要な要素となります。ただし、他の経済指標や要因も考慮することは必要ですが、アメリカの経済指標はその中でも特に注意を払うべきであると言えるでしょう。 米国用統計の基礎知識米国の雇用統計は、失業率や就業者数などの雇用に関連する経済指標のことです。特に米国の雇用統計は、非常に重要で注目度の高い指標と言えます。毎月第1金曜日の夜に発表される米雇用統計の結果には、チャートやレートから目を離せないトレーダーも多くいます。米雇用統計にはいくつかの統計指標がありますが、その中でも特に注目されるのは「非農業部門雇用者数（NFP）」「失業率」「平均時給」の3つのデータです。非農業部門雇用者数は、前月と比較して就業者数がどれだけ増減したかを示しています。失業率は、労働力人口に対する失業者の割合を示しており、経済の健全さや景気の動向を示す重要な指標となります。また、平均時給は賃金（所得）の伸びを示し、労働市場の経済的な状況を反映しています。雇用統計は、個人の所得や消費の動向にも大きな影響を与えます。また、先行きの景気の動向を予測する上でも重要な指標となります。そのため、米国だけでなく、多くの国や地域でも雇用統計は注目されています。日本においても、総務省が発表する失業率や厚生労働省が発表する有効求人倍率など、雇用関連の経済指標が重要視されています。これらの統計を把握することで、雇用状況や労働市場の動向を理解し、経済の健全性や将来の景気予測に役立てることができます。

米国雇用統計と発表される日程米国雇用統計は、米国の労働省労働統計局(BLS)が毎月発表している経済指標であり、米国の雇用情勢を示しています。米国雇用統計は、毎月12日を含む週におけるデータが集計され、基本的に翌月の第1金曜日に発表されます。発表時間は、夏時間では日本時間の午後9時30分であり、冬時間では日本時間の午後10時30分です。米国雇用統計は、頻度が高く、調査対象が広範であるため、為替市場で非常に注目されています。特に注目されるデータは、非農業部門雇用者数(NFP: Non-Farm Payroll)、失業率、平均時給です。これらの数値は、事前の予想との乖離が多く、発表直後に市場に大きな変動をもたらすこともあります。
米国雇用統計以外の経済指標新規失業保険申請件数前の週に初めて失業保険を申請した人数を表すデータ ・毎週木曜日に米労働省雇用訓練局が発表されます。失業保険を申請する人数の変化を把握するための指標で、新規で失業保険を申請する人の数を示す経済指標です。速報性は高いですが、毎回の結果がブレやすい特徴があります。労働市場の状況を判断する際には、他の雇用関連指標の結果と組み合わせて考えることが重要です。
GDP（国内総生産）国内総生産（GDP）は、世界中で最も代表的な経済指標の一つであり、国ごとに発表され、国内で生産されたすべての最終財とサービスの価値を合計したものを示しています。国内で生み出される付加価値の合計額を示す経済データです。 経済規模を示す指標であり、経済成長の把握に非常に注目されています。 名目GDPと実質GDPの2つがあり、通常は実質GDPの伸び率が市場で注目されます。また、米国では四半期ごとにBEA（米商務省経済分析局）が発表します。特に注目されるのは、物価の影響を除いた「実質GDP」の伸び率です。速報値は特に注目されますが、改定値や確報値が発表される際に数値が大幅に変更されると、為替相場にも影響を与えることがあります。
消費者物価指数（CPI）消費者物価指数（CPI）とは、商品やサービスの価格の変動を表したデータのことです。一般的には、物価変動が大きな品目を除いた「コア指数」が注目されます。CPIは、国の経済状況や物価の上昇、下降の傾向を把握するために用いられます。またその国の金融政策にも影響を与えるため、非常に重要なデータとされています。消費者物価指数はさまざまな国や地域で計算発表されています。例えば、日本では総務省が毎月全国消費者物価指数と東京都区部消費者物価指数を発表しています。東京都区部の消費者物価指数は、全国消費者物価指数よりも発表時期が早いため、全国の物価の動向を予測する際に先行指標として利用されます。また、ユーロ圏では、各加盟国が自国の消費者物価指数（CPI）を発表していますが、ユーロ圏全体の消費者物価指数は「HICP（Harmonised Index of Consumer Prices）」と呼ばれています。この指数は、欧州統計局（ユーロスタット）によって算出され、マーストリヒト条約による統一基準に基づいています。HICPは毎月発表され、速報値と確報値が公表されます。また、生産者物価指数（PPI）とは、製造業者が商品を出荷する際の販売価格の動向を表したデータです。一般的には、英語で「Producer Price Index（PPI）」と呼ばれ、これらの指数は、経済の動向や金融政策の方向性を把握するために重要なデータとされています。
小売売上高（Retail Sales）小売売上高は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、百貨店などの小売業やサービス業の売上高を集計したデータです。この指標では、前月からの変動率が特に注目されます。小売売上高の動向は個人消費の状況を反映しており、個人消費の活発さや低調さを示すものとされています。たとえば、小売売上高が前月比でプラスであれば、個人消費は活発であると判断されますが、逆にマイナスの場合は個人消費が低調と判断されます。米国では、この小売売上高に関するデータは米労働省労働統計局（BLS）によって毎月発表されています。なお、個人消費は米国の国内総生産（GDP）の構成比率の約7割を占めており、そのため小売売上高の動向は米国の経済状況を確認する上で非常に重要な情報となります。消費者信頼感指数消費者信頼感指数は、米国の民間調査機関であるコンファレンスボードが5000人の消費者を対象にアンケートを実施し、その結果から消費者のセンチメントを指数化したデータのことを指します。具体的には、現状の経済・雇用状況や半年後の経済・雇用・所得に対するセンチメントを集計し算出されます。個人消費や景気の動向との相関性が高く、経済の健全性や消費の安定性を判断する上で重要な指標として知られています。また、米国にはミシガン大学が発表する「ミシガン大学消費者信頼感指数」という類似の指標も存在します。調査数は500人と少ないですが、速報値が早く発表されるために消費者信頼感指数の先行指標としても活用されることがあります。日本では内閣府が「消費動向調査」の中で毎月発表している「消費者態度指数」という指標があります。これも消費者信頼感指数と似た意味合いを持つ経済指標であり、消費者のセンチメントや経済の健全性を把握する上で重要なデータとなっています。
ISM製造業景況感指数・ISM非製造業景況感指数【ISM製造業景況感指数】 製造業の企業の景気状況を表したデータ で ISMが製造業の仕入れ担当者へのアンケート結果から作成されます。 製造業の動向や景気を予測する指標として注目されています。  高い指数は景気が好転していることを示し、低い指数は景気が悪化していることを示し、他の経済指標と相関関係があり、経済政策や金融政策の判断材料となります。【ISM非製造業景況感指数】・非製造業（サービス業）の企業の景気状況を表したデータ で ISMが非製造業の仕入れ担当者へのアンケート結果から作成されます。 サービス業の動向や景気を予測する指標として注目され、高い指数は景気が好転していることを示し、低い指数は景気が悪化していることを示します。サービス業の大きな割合を占めるため、全体の景気に大きく影響を与える指標として重要視されます。 製造業景況感指数と合わせて見ることで、経済全体の景気状況を把握することができます。
PMI（購買担当者景況感指数）PMI（Purchasing Managers Index）とは、世界的な調査会社であるIHSマークイットが登録商標として保有している指数です。企業の仕入れ担当者の景況感を表したデータで、一般的に、IHSマークイットが公表するデータを「PMI」と呼ばれています。景況感を示すデータはPMI以外にも各国で個人消費支出（PCE）が発表されていて、個人が財やサービスの消費にいくら支出したかを示す指標です。米国ではGDPの約2/3以上を個人消費が占めているため、米商務省の経済分析局（BEA）が公表する個人消費支出は景気動向を把握するのに役立ちます。また、名目PCEと実質PCEから算出される「PCEデフレーター」は注目度が高く、価格変動の激しい食品やエネルギーを除いた「PCEコア・デフレーター」は連邦準備制度理事会（FRB）の参考指標として特に注目されています。日銀短観は、「全国企業短期経済観測調査」の略称で、日本銀行によって行われる全国の企業経営者を対象としたアンケート調査から集計される指標です。毎年4月、7月、10月、12月に発表され、市場では業況判断指数（DI）が注目されます。DIがプラスであれば好況、マイナスであれば不況と判断でき、景気の流れを把握する上で、特に大企業製造業の業況判断DIが重要視されます。海外では「TANKAN」としても知られています。消費者物価指数（CPI）は、消費者が購入する物やサービスの価格（物価）の変動を示す指標で、一国のインフレ状況を把握するためによく使われいます。特に季節性の影響を受けない生鮮食品を除いた「コアCPI」は非常に注目されています。中央銀行は政策運営の一環として「物価目標」を設定しており、その指標としてもCPIが採用されています。

他の企業景況感指数PMI以外にも、世界各国では企業の景況感を示す様々なデータが存在します。例えば、米国ではニューヨーク連銀が発表する「エンパイア・ステイト景況感指数」や、フィラデルフィア連銀が発表する「フィラデルフィア連銀製造業景況感指数（フィリー指数）」が注目されています。また、ドイツのIfo経済研究所が発表する「Ifo景況感指数」や、ZEW（欧州経済研究センター）が発表する「ZEW景況感指数」など重要な経済指標として注目されています。
生産者物価指数（PPI）の指標通常、物価が上昇し過ぎると、中央銀行が利上げを行うことが予想され、この利上げ期待から、通貨の価値が上昇する傾向にあると言われています。また、経済指標として、生産者物価指数（PPI）があります。この指標は、生産者側から物価の変動を測るためのもので、定期的に発表されます。

鉱工業生産の指標鉱工業生産は、主に鉱業や製造業の生産動向を示す指標です。各国で毎月発表されることが多く、製造業の状況を把握する上で重要な情報源となります。同時に発表される「設備稼働率」も確認する価値があります。これらの指標は速報性が高く、市場参加者から注目される傾向があります。
景況感指数とその影響景況感指数は、景気の動向を示す指標です。世界の様々な機関から発表されており、特にドイツの「ZEW景況感指数」や「IFO景況感指数」が有名です。これらの指標は景気の動向を予測する上で参考になります。
まとめ・経済活動を測定・評価するための数値データや統計情報確認。・雇用統計、消費者物価指数（CPI）、国内総生産（GDP）などが含まれます。これらのデータは、政府や中央銀行、民間の調査機関によって定期的に公表され、市場参加者の予測判断に大きな影響を与える。・国内の指標だけでなく、海外の指標も重要です。 特に、アメリカの経済指標は世界の経済に大きな影響をあたえる。・経済指標を活用するために、市場の重要なイベントや指標の発表日を把握する。最後に、投資初心者にとって経済指標の理解は重要になります。経済指標を確認して影響を正しく評価することは、賢い投資判断を行うための基本的なスキルの一つです。状況を把握することが大切で、アメリカの経済指標が日本経済に与える影響を理解することは、成功する投資家にとって重要な要素になりそうです。経済指標の知識を積極的に学ぶことをオススメします。最後までお読みいただきましてありがとうございました。